第25回皆生海岸技術検討委員会が5日、国土交通省日野川河川事務所で開かれた。皆生工区の1、2号人工リーフ間にある開口部の侵食対策について、捨石根固工と異形ブロック1層を初回に一体施工する2段階施工案を承認。施工前後のモニタリングで効果を検証し、2段階目となる追加のかさ上げが必要か判断する。5年間の工程案では3年目に初回工事、4年目に事後検証を行い、必要な場合は5年目に追加施工する。
皆生工区では、開口部から人工リーフ背後へ進入する波浪により局所的な砂浜侵食が発生。2022年度以降は毎年被害が確認され、侵食後の緊急養浜で対応している。13年度以降に投入した土砂は計2万3000立方メートルに上るという。
前回委員会では、開口部約50メートルをかさ上げして波浪低減効果を高める対策を選定。開口部を一度に既設人工リーフと同じ高さまで整備せず、砂浜の変化を見ながら段階的に施工する方針としていた。
当初案は、1段階目で捨石根固工、2~3段階目でブロックを据え付ける3段階施工だった。しかし捨石だけの状態で冬季風浪にさらされる期間が生じ、石材の飛散が懸念されるため、根固工とブロック1層を同時施工する2段階方式に見直した。
計画断面は捨石天端幅66・8メートル、人工リーフ計画天端幅41・6メートル。初回工事では天端高をTPマイナス1・9メートルとし、追加施工時に計画高の同0・5メートルまで引き上げる。委員からは、施工期間中に想定される波浪に対し、初回に据え付けるブロックの重量と配置が安定するか精査を求める意見があり、事務局が対応する構え。
初回工事は28年春を想定。施工後は、台風来襲前後と冬季の砂浜巡視、海底・陸上部の地形測量、波浪・流況観測を実施する。冬季の観測期間は9月から翌年3月までを想定。開口部岸側で波高と流速が十分に低減しているか、侵食規模の波浪を受けた際にも砂浜が維持されるかを確認し、委員会に報告する。効果が確保できれば追加工事を行わず事業完了となる。
委員会では、許容汀線後退量など従来の数値だけにとらわれず、日野川からの土砂供給減少や気候変動、海面上昇を踏まえ、現在の海岸線と背後施設をどう防護するかという長期的な目標を整理する必要性も指摘された。高波浪直後の変化を面的に把握するため、ドローンや航空レーザー測深など新技術の活用を求める声もあった。(2面へ続く)
