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 国土交通省はこのほど、地方公共団体のダンピング対策の導入状況を「見える化」した資料を公表した。対象は公共工事と測量・調査・設計などの業務委託で、最低制限価格制度や低入札価格調査制度の導入状況、また価格算定式の設定水準を自治体ごとに整理。取り組みが遅れている市区町村には個別に働きかける方針を打ち出す中、鳥取県内でも制度整備の進み具合に温度差が浮かび上がる。
 制度の導入状況は2025年6月1日時点、実施率については24年度実績を基準とする。なお内容は制度の有無や算定式の水準を画一的に比較したもので、発注件数や案件規模、地域の受注環境、事務執行体制といった要素は考慮されていない。町村部では発注件数や対象業務が限られ、都市部と同じ物差しでは測れない面も。結果はあくまで導入状況の比較として、運用実態や地域特性を踏まえた見方が必要だ。
 工事分野から鳥取県内の状況を見ると、県は最低制限価格・調査基準価格とも22年中央公契連モデル相当の算定式を使用。いずれかの基準を設定した入札件数を、年度内の発注工事件数で除した「実施率」は100%を維持している。市単位で見ると、4市いずれも県の水準に並ぶほか、米子市・境港市では両価格とも22年中央公契連モデルを上回る独自モデルを採用。鳥取市も最低制限価格で高水準の独自モデルを採用している。
 他方、町村単位では22年モデル相当の最低制限価格が6町で採用されているものの、非公表や算定式を定めていないケースが5町、古い中央公契連モデルの使用が2町、その他の独自・変動型モデル使用が2町村。調査基準価格は三朝町が22年中央公契連モデルを採用しているのみで、13町村が制度未導入、琴浦町が非公表となっている。実施率では、三朝町で適用実績がなかったほか、北栄町が27%と低調。そのほかは8~9割の実施率だった3町と集計除外の若桜町を除く9町村で100%を達成している。なお、両価格とも未導入の自治体は存在しなかった。
 業務分野では差が鮮明になる。最低制限価格か低入札価格調査制度のいずれかを、測量・建築コン・土木コン・地質調査の4業種すべてで導入しているのは県と12市町村。一方で南部町や中部3町、日野3町では両制度とも未導入の状況だ。全国基準でも同様の市区町村が約4割にのぼり、業務分野では裾野が狭い構図が見て取れる。
 資財高騰や担い手不足が課題となる中、過度な価格競争を抑え適正利潤を確保する仕組みづくりは、地域建設業の存続を左右する要素の一つ。県と主要市が先行する半面、町村部では制度整備の余地が大きく、業務委託を含めた継続的な底上げが期待される。