県米子県土整備局長に今春就任した西村克則氏が本紙のインタビューに答え、2026年度当初段階で6月補正と合わせ、92億円規模を見込んで所管事業の進捗を計画する意向を明らかにした。県道倉吉江府溝口線「一の沢橋」の復旧工事の発注計画も説明。上半期に旧橋撤去工を発注するという。(聞き手・森安哲史)
―国予算を踏まえた26年度事業の予定は。
「主要事業では、水貫川排水機場を27年の出水期までの供用を目指して整備し、既にバイパス部分を供用した街路両三柳中央線は暫定取付道路の撤去など残工事を推進する。県道米子大山線(尾高橋)の橋梁補修工、県道倉吉江府溝口線(大山二の沢)災害防除工、県道大山佐摩線(豊房~今在家)道路改良工も完成を見込んでいる」
―「一の沢橋」の復旧工事の見通しを。
「旧橋撤去工を2カ年に渡る債務負担行為により、上半期に公告し、秋ごろに受注者を決めたいと考えている。撤去後の28年度に下部工に着手し、29年度から上部工に取り掛かり、30年度の完成を目指している」
―25年度に目立った土木関連工事の不調・不落の対策は。
「発注見通しの早期公表、発注時期の平準化、余裕期間制度の適用に努めているが、下水道関連工事を抱える米子市など、圏域内の工事発注量が増加傾向にあると推察される。今年度は県と市で発注見込みを共有し、業界の受注余力などにも注視しながら、件数が過度に集中することがないよう可能な限り調整していく」
―地元コンサルから「県西部の業務量が少ない」との声がある。
「人件費、資材費が上昇を続ける中で公共事業の予算は横ばい状態が続いており、実質的な事業量の減少が工事進捗を遅らせ、事業完了時期がずれ込むことで次の事業の立ち上げが難しくなっている。そもそも米子管内は予算配分が厳しい交付金事業の対象がほとんどで、新規事業の候補箇所はあっても事業化が難しい、あるいは事業化しても予算措置が伴わず進度調整をせざるを得ないことが業務量の増えない一つの要因であろうと考えている。道路事業でも複数の大型構造物の施工時期に入ってきており、少ない予算の中で大規模構造物に予算を充当せざるを得ないことも影響していると思われる。事業効果の早期発現が重点配分の条件になっているものもあり、工事への配分を優先させざるを得ないところもある」
―抜本的な対策は予算の総額の拡大ということか。
「それとともに、地方の実情に合った補助対象要件の拡大、交付金事業の予算規模の拡大も必要で、制度の見直しなどを本庁とよく協議していきたい。事業個所の増大に取り組んでいくとともに、米子―境港間の高規格道路の事業化を見据え、整備効果を最大限に発揮していくために必要な周辺道路ネットワークの活用施策について、管内自治体と連携して検討していきたい」
―米子県土着任は初めて。
「培ってきた経験や知識を西部地域の発展や住民の皆さんの安心、安全の確保に生かしていけることにやりがいを感じているところ。米子―境港間の高規格道路が実現に向けて動き出しており、圏域の未来につながる県土整備について、米子県土の職員一丸となって取り組んでいきたい。25年12月に発生した鳥インフルエンザ、島根県東部を震源とした今年1月の地震をはじめ、県民生活に影響が出る事案が発生する中、業界の重要性はますます高まっていると感じている。若者に求められる産業となるよう、業界の皆様と連携して取り組んでいきたいと考えている」
略歴
1968年8月22日生まれ。57歳。八頭町出身。鳥取大学工学部卒。93年に県庁入りし、道路企画課長などを歴任。八頭県土整備事務所長を経て、県庁生活初めてとなる西部地域での勤務。
