米子市水道事業審議会(稲田祐二会長)が9日、今後10年間の水道事業の基本方針などをまとめた「米子市水道ビジョン2025」について、市上下水道局の下関浩次局長に答申した=写真。計画案を妥当と判断した上で、今後の事業運営に当たって留意すべき6項目を付した。
水道ビジョンは、水道事業者が持続的な事業運営を行うための中長期的な指針で、計画期間は2025~34年度の10年間。同局は昨年8月に計画案を諮問し、審議会での審議やパブリックコメントを経て、答申に至った。
答申では、将来的な人口減少による料金収入の減少や、施設・管路の老朽化に伴う更新需要の増加、物価高騰などにより、今後も厳しい経営環境が続くとの認識を示した。その上で、水道事業の持続性を確保するため、引き続き経費削減に努めるとともに、適正な水道料金の在り方を定期的に検討するよう要望。
また、地震や豪雨、凍結災害などの激甚化・多様化に対応するため、施設や管路の計画的な更新や耐震化を着実に進める必要性を指摘し、投資・財政計画については、毎年度の進捗管理と見直しによる効率的な運用を求めた。
このほか、有収率の向上や施設のダウンサイジング(規模の適正化)、スペックダウン(性能の適正化)、適正で効率的な配水区の見直しに加え、DXや広域連携、官民連携を効果的に活用することで、経営の効率化と事業費の縮減を図るよう要請。
将来にわたり安心・安全な水道を維持するため、緊急時の初動対応などに迅速かつ的確に対処できる組織体制の構築や、人員の適正化と水道技術の維持・継承の重要性を強調。給水区域内の利用者に対する積極的な広報を通じて、水道事業への理解を深めることなども盛り込んだ。
同日、市上下水道局を訪れた稲田会長が答申書を手渡し、受け取った下関局長は「慎重に審議していただいたこのビジョンが、水道事業が抱えるさまざまな課題を克服する一つの道標になるだろう」と述べた。
米子市水道ビジョン2025は、現行の基本計画に経営戦略を統合させたもので、老朽管更新の加速や収支の均衡を図るための料金改定見通しなどを記載。市上下水道局は3月31日に同局のホームページ上で公表する予定でいる。
