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 県建築士会(松山久会長)は7日、今年度の「とっとりヘリテージマネージャー養成講習」の最終回講習と修了式を開いた(=写真)。9カ月にわたる全12回、計60時間の全課程を修了した23人と、過年度の受講生で補講課程を受講した1人の計24人を新たにヘリテージマネージャーとして登録した。
 最終講習では、グループワーク「私が見つけた文化財」について最終発表。
 受講生は7班に分かれ、JR因美線・那岐駅(智頭町)や日本最大級の木造工場・神鋼機器工業第一工場(倉吉市)など、県内各地の歴史的建造物を調査。フォトグラメトリによる3Dモデル化やVR活用の提案、シェアキッチンやレストランといった収益モデルの検討など、建築の専門知識を活かした具体的な保存・利活用案を提示した。
 講師を務めた米子高専名誉教授の和田嘉宥氏らは講評で「単なる建物の保存にとどまらず、地域の歴史や住民の想いを丁寧にくみ取ろうとする姿勢が見られた」と話し、「専門家として建物が持つ『名もなき価値』を言語化し、社会へ伝えていく重要性を再認識させる内容だった」と受講生たちの洞察力を高く評価。
 また、修了式では松山会長が修了生に修了証を授与。松山会長は約10年ぶり3回目となった養成講習の意義を強調し「明日から地域の歴史文化を引き継ぐ旗振り役として、まだ価値を見出されていない建造物に光を当ててほしい」と激励した。
 受講者代表の井手添誠氏(井手添建築設計事務所)は「建築家や行政など様々な立場の人が共に学び、ヘリテージマネージャーという新しい視点を持てた。この知見を今後の活動に活かしたい」と謝辞を述べた。
 歴史的建造物の取り壊しが全国的に進む中、今回誕生した専門家たちが、鳥取県の豊かな地域遺産を次世代へ繋ぐ大きな力となることが期待される。