コラム
みちしるべ
2018-10-23
県東部土木施工管理技士会は、工業高校との交流会を開きICT技術を活用して施工が進む鳥取西道路の現場を紹介した。現在の建設業の現場は高校生にどのように映ったのだろうか▼建設業の担い手の確保が課題と言われるようになって久しいが、技士会がこういった取り組みを行うのは初めて。現場見学後には、建設会社に入社した卒業生と意見交換し、建設業に対する理解を深めた▼一時期は、工業高校の建設系学科を卒業しても、他の分野への就職を希望する生徒が多かったが、今では建設業を目指す生徒が多くなっているそうだ▼夢を持ちこの業界に入る若者が、やりがいを持って働きながら成長していくには、待遇や労働環境の改善も欠かせない。行政の協力も必要だろう。(鷹)
みちしるべ
2018-10-22
トランプ氏、習近平氏、関税引き上げ、報復関税。等々、チキンレースのような米国と中国との激しい経済、覇権争いが続いている。経済大国1位、2位が3位の日本の頭越しにツバ競り合いが行われている▼その影響で株価も乱高下し、日本では一時1000円下落するなど、世界同時株安を引き起こした。2008年9月15日の米国発のリーマンショックを想起させた▼世界の動きとはいえ経済が減速すると、一地方にも素早く影響が出る。一方で景気回復のテンポは大都市圏に比べ地方は後回しだ。世界、中央の影響をただ受けるだけでは情けない▼地震、台風など、どこで災害が起こってもおかしく無い時代。着実な対策、海外貿易に依存しすぎることなく、堅実な内需拡大のためにも大規模な補正予算に期待したい。(鵲)
みちしるべ
2018-10-18
7月豪雨から約3カ月。県東部では復旧工事が次々と発注され始めた。まだ台風24号被害の査定があるし、消費増税対策の補正…と、年が明けてからも発注ラッシュは続きそうだ▼全国で相次いだ水害や土砂災害にあって、地道に整備が進められていたカ所は被害を免れている。マスコミに取り上げられることはないが、対策工の効果はきっちり検証しておくべき▼整備計画があったにもかかわらず、犠牲者が出たと聞けば悔いが残る。岡山県真備町の小田川にしても昨年、付け替え工事に着工したばかりだった。政府は防災・減災の緊急対策として、今後3年間にわたり国土強靭化に集中投資するという▼次世代への防災投資を怠って、守られるべき生活が一瞬にして消えてしまうようでは、とても「責任ある政治」とは言えまい。(鷲)
みちしるべ
2018-10-17
きょう10月17日は「貯蓄の日」。人生には「四つの貯蓄」がある、とものの本にある。一番に「知識の貯蓄」、二番目は「友人の貯蓄」、三番目が「健康の貯蓄」、四番目には「お金の貯蓄」。生活する上では四番目がまず大事となろう。なお、「友人の貯蓄」は、何故か年齢と共に減っていく▼ある統計によると(2016年)、職業別で貯蓄の多いのは金融関係者。建設業関係は余り多くない。国の統計であり悪しからず。年代別では70代が最も多く貯蓄している▼危険と隣合わせの建設現場、災害復旧現場で必死に汗を流す建設業関係者。一方、責任を部下や第三者に押し付け高級料亭で会合を続ける政府要人等々▼両者は所得・貯蓄額でも雲泥の差。政府が、常々言う「格差是正」とは、程遠いー。(雉)
みちしるべ
2018-10-16
7月豪雨の災害復旧工事が本格化する。未だ台風24号の応急対策、測量・設計に追われるなか、発注者からは「人手が足りない」の声が聞こえてくる▼7月豪雨では八頭郡に被害が集中。中部、西部から県八頭県土整備事務所には多数の応援が派遣され、急ぎ災害復旧に着手した▼まもなく台風24号が県内を襲った。今度は県内中部、西部を中心に多くの被害をもたらし、現在も多くの人員が対応に追われている▼災害による仕事の「供給量」は調整できない以上、人手不足を嘆くよりも今後のためにも適切な対応策が求められる▼今後に向けて受注者は計画を立てて備えている。受発注において発生した問題のしわ寄せは現場に向かってしまう。地域、業界発展のために一丸となって取り組んでほしい。(鶴)
みちしるべ
2018-10-15
今年9月の全米オープンテニス女子シングルスで大坂なおみ選手が日本人初優勝を果たした。これは、日本女子テニス界の新しい扉を開く快挙だ。島根県出身の錦織圭選手もこれに続いた活躍を期待したい▼明るいニュースの一方で、アマチュアスポーツ界でパワーハラスメント疑惑が相次いで報道されている。これまで隠されていた陰の部分が明るみに出たわけだが、今後を考えると膿を出す良い機会かもしれない▼一般社会にも言えることだが、理不尽な仕打ちは愛のムチではない。暴力や高圧的な態度での指導が無意味なことは今や常識で、大坂なおみ選手のコーチのサーシャ・バイン氏もポジティブな言葉と緻密な理論で導いた。論理的で愛情のある指導が成長に繋がるという認識が定着してほしい。(雛)
みちしるべ
2018-10-12
県立米子工業高等学校(田中宏明校長)の建設科2年生が今年も23~25日でインターンシップを行う。土木コース14人と建築コース15人を県西部建設業協会の会員15社が、土木コース4人を県測量設計業協会の会員2社が受け入れる▼生徒は1~2人ずつ、その会社で技術者に付いて職業人としての心構え、勤労観を養い、進路意識の向上を図る。また、この職業体験を通して専門科目への興味や関心、地域産業への認識も深める▼空前の売り手市場と言われる就職戦線。鳥取労働局の調べでは、来春の高卒予定者の求人倍率が過去最高の1・80倍を記録。建設関係も前年を僅かだが上回っている▼高校生たちにはもちろんその親御さんにも先生にも地場の建設業にもっと関心を持ってもらいたい。(鴉)
みちしるべ
2018-10-11
10月は、安定した秋晴れの空が多いイメージを持つが、近年の気候や自然は昔とは違うから、一つも安心できない。これだけ大きな自然災害が立て続けに発生すれば、安心や安全という言葉を安易に使えないのでは▼気象などについての情報を鳥取県が配信する「あんしんトリピーメール」を受信する頻度が近ごろ本当に多い。警報が発令されれば、避難場所の開設、河川や道路の状況などを発信し続ける▼高齢者が多く暮らす地域がたくさんある。災害が発生し、住み慣れた家を失えば、集落そのものが消滅してしまう▼こうした地域に危険を知らせる素早い情報が、どれだけ届いているのか。人が少ない地域であっても、国は、国民の生命と財産を守らなくてはいけない。公共事業の重要性はここにある。(鷺)
みちしるべ
2018-10-10
毎週のように台風が来襲。9月30日の24号台風では県下各地でも土砂崩落や護岸崩壊などが発生し、交通機関も麻痺するなど多くの影響とキズ跡を残した。改めて社会インフラ基盤の脆弱さと不充分さを痛切に感じさせる▼安倍首相は「防災・減災・国土強靱化のための緊急対策を、3年間集中的に講じる」との考えを示し、また、国交省水管理国土保全局長の塚原浩一氏(本紙5日号既報)も「安全度の底上げが必要。特に人命を守るハード対策に加速度をあげていく」と述べ、積極的な取り組み姿勢を示す▼強靭化事業は公共事業でしかできない。当たり前の日々を災害から守るためにも、公共事業予算を制限することなく、必要な防災・減災を柱とした頑強なインフラを進めなければ私たちの安全は確保できない。(雀)
みちしるべ
2018-10-09
小学生や中学生を対象とした建設業の魅力発信講座や現場見学会をよく取材する。このほど行われたのは、県などが主催した高架橋の現場見学会。今回は、現場見学や工事概要の説明だけでなく、上部工にチョークで絵を描くなどのイベントが催された▼参加した小学生は夢中で好きなキャラクターなどを描き、構造物はみるみるうちにカラフルに。時がたつに連れて描いた絵は見えなくなるが、その思い出はいつまでも児童たちの記憶に残るに違いない▼関係者は見学会の開催について「建設業に携わるきっかけのひとつにしてもらいたい」。現場見学は建設業界を知るきっかけとして大きな役割を果たしていると感じる。しかしその先、建設業に就きたいと思わせるには、何が必要かを同時に考えさせられる。(鴨)