コラム
みちしるべ
2019-08-08
6月に改正法が成立した「新・担い手3法」。うち20年秋施行の建設業法と入契法は、働き方改革と生産性の向上、持続可能な事業環境の確保―の3本柱で構成され、目標には女性や若者ら将来の担い手確保が据えられた▼17年に発足した産官学による担い手確保・育成連携協議会(山田和成会長)が取り組む内容も、まさしく「新3法」の狙いと一致する。人口減少に伴い子どもたちが益々減るなか、いかに建設産業に目を向けてもらえるか。知恵の出しどころだ▼業界からは「とにかく賃金」といった声が強い。県東部のある高校の全生徒に休日と給与のどちらを優先するかと聞いたところ、給与に手を挙げた生徒が多かった▼賃金アップには何が必要か。入札制度や元下請け関係の改善など、アプローチすべき点は山ほどある。(鷲)
みちしるべ
2019-08-07
大袈裟ではなく不穏な空気が世界中に広がっている。先日、トランプ米大統領は、「アフガン戦争は1週間で勝てる。しかし、1千万人を殺す訳にはいかない」。そのアメリカでは銃乱射事件が頻発する▼「灯台もと暗し」(身近な物事には却って気づかない)。先の参院選の結果。与野党それぞれが、「まずまずと評価している」という珍現象。誰の目にもはっきりしていることは、投票率が過去最低だったこと▼選挙年齢を18歳に下げても投票率は一向に上がらない。その原因について、各政党とも謙虚に反省すべき、と各識者。山陰地方で言えば、「合区問題」もあろう▼各地で内戦・テロに加え、物騒な事件が起きる背景には、「格差」「貧困」がある。人種差別がぶり返す傾向の米国。日本にも火の粉がー。
みちしるべ
2019-08-06
6月21日、富山県出身の八村塁選手がNBA(全米プロバスケットボール協会)のドラフトで9番目の指名を受け、ワシントン・ウィザーズに入団。世界で最も競技人口が多いスポーツはバスケットボールで4・5億人。NBA選手は450人で、さらにドラフト対象者は60人で選りすぐりのエリート▼日本では2016年に「Bリーグ」を創設。全国各地にチームが誕生しており、小規模な体育館で開催されているが、若者を中心に観客動員数や売り上げも右肩上がり。まさに地方創生、コンパクトシティ、若手確保と現代のテーマに適応している▼「昭和のプロ野球、平成のJリーグ、令和のBリーグ」とはBリーグ大河正明チェアマンの言葉。日の目を見なかった日本バスケット界が変貌を遂げようとしている。(雛)
みちしるべ
2019-08-05
2019年度の工事成績優秀企業が国土交通省中国地方整備局から発表され、7月23日には認定書の授与式があった。晴れてゴールドカードの栄に浴したのは、土木関係53社、港湾空港関係5社▼認定企業は、中国地整局の発注工事で、過去2カ年度に完成させた土木工事の実績が3件以上あり、その対象工事の平均点が80点以上となった企業。今年度、県内からは土木関係で11社が認定された▼限られた地域で、2年で3件の受注というのが難しいと聞く。ゴールドカードと同時に発表された工事成績ランキングでは、土木関係で152社(県内27社)、港湾空港関係で12社(同1社)がその高い壁をクリア▼なかなか知名度抜群、特典満載のステイタスとはいかないが、8月1日から向う1年の有効活用できる環境がほしい。(鴉)
みちしるべ
2019-08-02
鳥取市と倉吉市を往復する時、自動車道だけではなく、たまには国道9号を利用する。山陰道の鳥取西道路が完成したこともあり、国道の交通量は少なく、旧泊村から鳥取市青谷町までは、すれ違う車もまばらだ▼かつては難所だった長尾峠の展望台からは、兵庫県境にある山並みも見ることができる。そして、白兎海岸周辺もスムーズに車が流れ、暑い日が続くが、運転は快適だ▼自動車道の完成で、慢性的だった交通渋滞は解消し、事故の多かったこの道路は地域の人たちが安心して利用できる道になりつつある。これが何よりも大きなメリットだろう▼しかし、気がかりなことも。仕事や観光で行き来する県内外の人達が、沿線の店舗に立ち止まり、一本の缶コーヒーを買う機会は徐々に減るのではと。(鷺)
みちしるべ
2019-08-01
連日35度を超える猛暑日、夜は25度以上の熱帯夜。夏本番を迎えた▼この時期、気をつけなければならないのが、熱中症と同時に車の運転、交通事故。夏型交通事故は、事故多発時期の冬季時期と同じくらい発生しているというデータもある。原因は疲労や気の緩みになどによる漫然運転。特に午後の時間帯は注意力が散漫になりがちで、居眠り運転の最大注意時間帯▼昨今、高齢者による交通事故をはじめ、悲惨な交通事故が全国的に多発している。カーエアコンを上手に使い分け、休憩、水分を十分にとり、日々充分な睡眠確保など、万全な体調管理が必要▼建設作業は、暑さから逃れられない労働環境条件下にある。疲労困憊やホットする一瞬の気の緩み、脱力感が事故誘引となる。交通安全意識を一層高めて欲しい。(雀)
みちしるべ
2019-07-31
気づけば7月も下旬。昨年の記録的な猛暑の印象が強く残っているせいか、今年は夏の到来が遅く感じる。今年は冷夏と予想されていたが、気象庁の最新の発表によると、8月上旬まで各地で猛烈な暑さになるそうだ▼建設業ではこの時期、熱中症対策が大きな課題となっている。昨年の業種別の死亡者数をみると、全体の4割(10人)が建設業で発生している▼業界も休憩場所の整備、透湿性・通気性の優れた作業着を着用するなどして対策を進めている。しかし、一番危険なのは、「自分だけは大丈夫」といった過信や、「周りが頑張っているから自分も無理して頑張ろう」といった意識を持つことだ▼人にはそれぞれ自分のペースがある。それをよく知った上で万全の対策を施し、厳しい夏を乗り切って欲しい。(鴨)
みちしるべ
2019-07-30
2020年7月24日から開かれる東京オリンピックの開催まで早くも1年を切った。大会会場も世界に誇る日本の卓越した技術と技能で完成に向け、順調に進んでいるようだ▼梅雨が明け、今年も危険なレベル、災害級の暑さが日本全土を覆っている。猛暑の中での開催が予想されるこの大会でも、暑さ対策とともに大きな課題となっているのが交通混雑の解消▼そこで、交通規制とともに考えられているのがテレワークという勤務形態。実効性が求められる働き方改革でも注目されている情報通信技術(ICT)を活用したテレワークという働き方だ▼場所を選ばないこの働き方は、職種によっては、業務の効率化や生産性の向上が期待される。人口減少が問題の地方にとって、サテライトオフィスとともに注目される手法だろう。(鶯)
みちしるべ
2019-07-29
先月、東京で建設トップランナーフォーラムが開催された。14回目となる今年は、鳥取県と島根県の企業が運営を担当し、美保テクノスの野津一成社長が実行委員長を務めた▼運営するトップランナー倶楽部は、夢を持って新事業、新しい建設業に挑戦する建設業経営者の集まり。今年のテーマは、「原点回帰―復業で地域を支える」だった▼フォーラムでは、農業などへの復業化、高齢化社会を支える地域建設業の取り組み、再生可能エネルギー・環境事業への進出など新しい取り組みの成功事例が紹介された▼地域の建設業者の中には、復業化に成功した例がいくつもある。共通するのは建設業の技術力や機動力など、自社の強みを活かしたことだ。建設業には無限の可能性が秘められていると改めて感じさせられた。(鷹)
みちしるべ
2019-07-26
コンサル向けの改正総合評価は、開札が始まって約1カ月。全般に業務の金額帯によって入札する企業は上位と下位に二極化し、1件当たりの応札者数が少ない▼受注減点は業務1件ごとに加わり「少しでも大きいものを」と、地域密着型(500万円未満)では500万円に近い仕事に狙いを定める。簡便型(500万円以上)でも、1000万円未満のものには二の足を踏む傾向がみてとれる▼各社が売上高を重視するばかりに、各々得意分野の技術力を活かした入札には程遠い。いっそのこと500万円未満は価格競争。1000万円を境に地域密着型と簡便型に区分し、受注金額によって減点する方法もありか▼上半期までの入札をみて県は検証作業に入るが、「何をどうしたいのか」―業界内でも原点に立ち戻ってよく考えてみたい。(鷲)