本文へ移動

コラム

RSS(別ウィンドウで開きます) 

みちしるべ

2019-09-13
 「卵が先か、鶏が先か」。建設業界にとって工事書類の簡素化は昔も今も大きな課題であり、永遠のテーマだろう。良い工事現場の書類は整然としていて良い。これが転じて、いつしか、書類の良い現場は工事そのものも良いとなったそうだ▼総合評価入札の導入でますます工事成績への関心が高まり、書類を重視する風潮が書類を必要以上に増やしたのだろう▼今、働き方改革で、長時間労働の大きな要因となっている書類を簡素化する動きが各分野で加速しており、建設分野でも発注機関にそれを求める声は強い▼一方で、工事成績を上げたいという技術者の性(さが)で、「それじゃあ皆が同じような工事成績になる」ことへの抵抗感もあるという。ジレンマはあるが、マニュアルは何でも簡潔な方が役に立つに決まっている。(鶯)
 

みちしるべ

2019-09-12
 鳥取市が建築A級を対象に試行する総合評価(特別簡易型)の入札がこのほど公告された。今年度は1件のみになりそうだが、来年度は増えていく見通しだ▼来年度には県の地域密着型にあたる特別簡易型(Ⅱ型)の試行も予定している。総合評価の導入は、今のところ建築A級だけの話だが、市の入札制度も県に近づきつつあると言えるだろう▼受注減点により評価点数が変動し、下位の業者にもチャンスが回ってくる総合評価。ある程度件数をこなさなければ、うまく機能しているかを見極めることはできない▼本格導入には、電子入札を整備することが必須と思われるが、導入が決まれば整備に時間はかからないだろう。入札制度の変革は思いのほか速いスピードでやってくるかもしれない。(鷹)
 

みちしるべ

2019-09-11
災害復旧工事に入札不調が相次いでいる。「平成30年災」は、7月豪雨と台風24号被害を中心に平成最大の被害に及んだ▼今年3月末まで県発注の災害復旧工事は60件以上が入札中止に追い込まれた。今年度に入っても7月末現在、全体の被害カ所のうち2割にあたる105カ所が未契約のまま。県は出水期明けにも着工できるようにしたいとしている▼が、どうか。人手や資材不足があるし、総合評価の「受注額」まで課せられれば、逃げ出してしまうのも致し方がない。県は来年度に向けて災害復旧を受注額に計上しない検討に入っている▼ただ、それだけでは根本的な課題から目をそらしているかのようにみえる。そもそも設計が現場の実態に合っているのか、ここにメスを入れない限り解決は図れまい。(鷲)

みちしるべ

2019-09-10
改革は古今東西、常に求められる。それは「陰と陽」を産むことにもなるが。現在、世界を揺るがしている香港のデモ、イギリスのEU離脱が最たるものか▼銃による惨劇が後を絶たないアメリカ。「銃を売らない」という勇気ある発言が大きく取り上げられる。トランプ大統領を支持するライフル協会は、これに猛反発という▼徳川幕府が続いた江戸時代は、種々の改革があり歴史物、映画・テレビにもなっていることはご承知の通り。ざっと挙げても、五代将軍「綱吉の犬公方」、八代将軍・吉宗の「享保の改革」▼翻って建設業界。「環境にやさしい事業」、「週休二日制」などが叫ばれている。スローガンはいい。が、中身が問題。週休二日制も異論なし。ただし、現場にしわ寄せが行くようでは“逆走”だ。(雉)

みちしるべ

2019-09-09
建設業界の労働災害は、18年に1万5374人が被害に遭い、このうち死亡者は309人。1961年をピークに建設業界の労働災害は減少傾向にあるが、業種別では最も死亡災害が多いという状況が続く▼働き過ぎが課題となっている日本では、それだけ労働災害の危険に身を置くことになる。人間の注意力には限界があり、長時間労働の是正、週休2日の確保は安全面からも早急に実現しなければならない▼労働災害は夏場に多く発生すると言われている。だが、これからも注意が必要で、残暑もまだまだ厳しく、また台風シーズンも到来する。特に屋外や狭い空間での作業が多い建設業では対策には十分配慮しなければならない。そのためにも安全対策経費は十分に確保しなければ掛け声だけで終わってしまう。(雛)

みちしるべ

2019-09-06
〝超〟目玉工事、境港市民交流センター(仮称)建設工事の発注準備が佳境を迎えている。山陰労災病院や境漁港高度衛生管理型市場2号上屋、江府町庁舎新築など今年度、県西部で計画されている注目の大型公共建築、最後の1件▼建築の概算工事費32億円、電気5・7億円、機械8・4億円。市の発注方針は、各工種共通で市格付けA級業者及び市に指名願いを出している県格付けA級業者が対象、自主結成による3者JVで構成員に西部の業者を含むことが要件▼より多くの業者に入札参加してもらうため5月20日~7月5日で異例の指名願い追加受け付けを実施。建築業者4社が新たに加わり17社になった▼最近よく訊かれるが、防衛への補助申請などに当初の9月がやや遅れ気味。交付決定があり次第、公告したいと。(鴉)

みちしるべ

2019-09-05
 20年ほど前までは、若い職員がたくさん活躍していた県内の建設コンサルタントも、高齢化が進む。30歳代の技術職員が極めて少なく、多くの企業に「空白の年代」があると聞く▼一時期に比べて事業量がいくらか増えた近年は、新卒の採用に各社が力を入れているほか、将来を見据えた体質の改善に向けて努力を続けるが、技術者として育つには時間がかかる▼週に何度か、取材先で監督員らと打ち合わせをする数人の技術者を見る。その中には、新人と思われる若い人が協議の内容をメモしていた。勉強のため、先輩が連れてきたのだろう▼県の優良業務に若手技術者を表彰する制度ができた。表彰者の一人は、まだ20代後半。業務の責任者を任された彼にとって、大きな励みになったに違いなかろう。(鷺)

みちしるべ

2019-09-04
業界の大きな課題は人材確保と育成。官民挙げて各施策が展開されているが、一方で、社員の質的向上も図っていかなければならない▼今、上司が部下と1対1で面談する「1(ワン)on1(ワン)ミーティング」が注目されている。従来の上司から部下への一方的な教育とは異なり、上司が部下からの話をしっかり聞き取り、今後の行動をサポートしていくやり方で、テーマを先に決めて、仕事の悩みや体調、メンタル、ワークバランスなどについて、現状の課題や改善策等をどう考えているかを引き出していくもの。話は部下が全体の7割程度を占めることが理想的という▼「1on1ミーティング」は、個の質的向上と定着率のアップ、さらに生産性を高めるための時代が要請する新しい社員教育のあり方でもあるようだ。(雀)

みちしるべ

2019-09-03
 先日、女性活躍推進セミナーが県庁で開かれた。建設業経営者や女性技術者などが、建設業で女性が働く上で課題となっていること、改善すべきことなどをピックアップし、その対策案などを話し合った▼女性が働きやすい職場は男性も働きやすい、とよく言われるように、より多くの女性就業者を増やすことで、業界全体の就労環境を改善することがねらい▼女性がいることで、顧客が安心する、現場の雰囲気が明るくなるなどのメリットはあるが、家庭との両立など、まだまだ弊害が多いのも事実▼現場での女性用化粧室・更衣室の設置など、各社で取り組めるところは早急に取り組み、出産・育児などの早期解決が難しい問題については、業界全体を巻き込んで少しずつでも解決へ向けて進んでいきたい。(鴨)
 

みちしるべ

2019-09-02
冠婚葬祭の形態も簡素化の流れで大きく変化している。かつて、派手に行われた結婚式も地味婚が主流になり、籍を入れるだけの無(なし)婚も少なくない▼葬儀も然り。新聞のおくやみ欄を見ても、身内だけで葬送する家族葬が増えつつある。近年、お墓の墓場が話題になっている。やむにやまれず、先祖伝来のお墓をしまう子孫も多い▼止まらない都市への人の流れ。地方の人口減少はまるで秋の日のようだ。それに伴い、空き家が増えるのは当然だ。これを受け、国では個人が不要になった土地や建物を国や自治体に寄付できる制度を考えているという▼地価の下落は落ち着いた感はあるが、資産には正と負があるように、「タダでも」誰も見向きもしない土地も多い。国土の均衡ある発展は望めないか。季節は夏から秋へ。(鶯)
2024年4月
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
  • 休刊日
有限会社日刊建設工業新聞
〒683-0047
鳥取県米子市祇園町2丁目33-13
TEL.0859-32-1771
FAX.0859-39-0421
TOPへ戻る