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コラム

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みちしるべ

2019-10-24
 建設業のみならず全産業における喫緊の課題は人手不足対策。人手不足は年々深刻化し、日本商工会議所の調べに中小企業の66%の企業がこれ以上、業績を伸ばすのは困難と答えている▼少子高齢化の進む中で、生産年齢人口が減少するだけでなく、また中途採用市場では中小企業から大企業に年間50万人が流出している。地方から大都市への流出もこの人手不足で一挙に拍車が掛かりそうだ▼現に鳥取県の新卒者市場ではこれまで高卒者の80%が県内企業を希望して、地元に貢献してきた。最近は、県外大手企業からの求人が多くなってきており、来春は県内志望がかなり減少する見通しとなっている▼女性や高齢者の労働参加にも限りがあり、外国人材も全就業者に占める割合も僅かだが、これには地道な取り組みしかない。(鴉)

みちしるべ

2019-10-23
 今年も大きな災害が全国各地で発生している。被災地の復旧はこれからだから、その地で暮らす人たちは不安で仕方がない。手っ取り早く身を守るのは的確な判断の下での避難だが、いざとなると素早い行動は難しい▼県さく井協会と、さく井技能士会は2005年か防災井戸を毎年寄贈している。災害後の大きな問題は水の確保だ。避難所で豊富な飲料水を供給できる井戸は、大きな効果を持つ▼数多くある業界団体の中では、最も小規模な組織の一つ。掘削などの作業は経費も手間もかかるため大変だが、防災への意識は人一倍高い▼この人達の経験は豊富だ。高度な技能を持ち、毎年多くの現場を手掛ける存在感は本当に心強い。あまり目立つことはないが、地道な活動を続ける関係者に頭が下がる。(鷺)

みちしるべ

2019-10-21
 東日本、北日本を中心に大きな被害をもたらした台風19号。日を追うごとに各地で想像を超える被害が報じられている▼年々凶暴化する昨今の気象現象。国土強靱化3カ年緊急防災対策整備が待ってはいられないほど、発生周期は速く、大型化している。事態は逼迫している▼国土・県土造り、地域防災は建設業頼り。一方で、地方は高齢化と人口減少で、その担い手は年々減少している現実がある。災害時ほど、電気、水道、道路などの生活インフラの確保と復旧が求められるが、それに携わる人材の確保育成も待ったなしの状況だ▼常態化していく近年の異常気象。借金をしてでも国土強靱化を強力に推し進め、同時に人材確保育成対策も一層推進し、災害に強い、頑強な社会環境造りが急がれる。早く手を打たなければ。(雀)

みちしるべ

2019-10-18
 鳥取県中部地震発生から約3年がたった。県によると、9月末時点でブルーシートに覆われている棟数は200棟。昨年10月末時点と比較すると、68棟減少しており、完全な復興に向け着実に歩みを進めている▼倉吉市の観光名所である伝統的建造物群保存地区も約70㌫の建造物の修理が完了し、今では多くの観光客で賑わいを見せるまでになった▼戸建て住宅の修繕もそうだが、伝統的建造物の修繕にはまた違った苦心がある。設計で図面がなければ一から図面を起こす必要があるし、修理に金物は使用できない。また、流用できる木材は流用しなければならないなど多くの点に気を使う▼この先、人工知能(AI)が発達したとして、このような人の感性に触れるところまでAIは再現できるのだろうか(鴨)

みちしるべ

2019-10-17
 県の「とっとり住まいる支援事業」を牽引している東部地区の住宅業界。2019年度上半期の新築住宅の申請件数は東部地区が依然として多いが、その状況に少し変化が見られる▼県下全体では前年度の448件より39件少ない409件だが、東部地区は前年度より46件少ない177件と減少率にすると21%弱の大幅減だ▼中部地区も2件少ない112件だった。これに対して、西部地区は9件多い122件と増加に転じており、前年度同期に約50%のシェアを占めた東部地区の落ち込みが際立っている▼最高で100万円を助成する同事業は、地元住宅業界にとってはなくてはならない制度。とりわけ、その活用が高い東部地区にとっては木造住宅の動向を占う大きな指標となっているだけに少し気がかりなデータだ。(鶯)
 

みちしるべ

2019-10-16
 台風19号による豪雨は全国各地に甚大な被害が出ている。河川の堤防が決壊するなど考えられない事態も起きている▼国土強靭化が唱えられて久しいが、これまでにどれほど整備が進んだだろうか。豪雨や豪雪、地震が発生した時、被害を小さく抑えられるよう、できる限りの対策を進めてほしい▼15日に東部建設業協会と鳥取市の意見交換会があった。この中で市は、災害復旧工事で入札不調が多発している件に触れ、理由と対策について協会に尋ねた▼「儲からないから」。協会役員のシンプルな答えに妙に納得した。市は国の基準に沿って積算しているので工事価格を引き上げることは困難と説明したが、工夫の余地は無いのか考えてほしい。打つ手がないなら、現状を説明し国に働きかけていくことも必要だろう(鷹)

みちしるべ

2019-10-15
 土木工事の入札制度で若手技術者を優遇する案は、どうやら見送られる向きが強まった。8月に県が試行案をまとめ、建設業協会に投げ掛けていた▼毎年、若手を採用できる県内企業は一握り。大半は雇おうとするも、応募すらない。案が通れば雇える大手と、そうでない者との受注格差は益々広がる▼それより業界に求められるのは賃金水準の確保。経営者には耳の痛い話だが、給与を引き上げなければ若手の定着はおぼつかない。必要経費を捻出する余地は、予定価格に対する請け差にある。平均落札率93・8%が高いのか、低いのか立場によって見方は異なる▼競争性のみ追求してきた発注者も、今や受注者の人材育成や利潤にまで考えを巡らせないといけない時代になった。心底、業界を生き残らせる気概がなければ務まらない。(鷲)
 

みちしるべ

2019-10-11
 「バックキャスティング」という言葉をよく耳にするようになった。現状の分析から課題を見つけ出す思考法が「フォアキャスティング」なら、強制的に発想した未来を逆算して現在の施策を生み出すプロセスをこう呼ぶ▼到達目標を未来に置くわけだから、荒唐無稽な発想に至ることも多い。それでもどうにか道筋を探ることで、既成の方策を捨てたブレイクスルーを生み出すアプローチと言える▼一つの鍵は、産業の垣根を超えた価値の創造にある。例えばAirbnbはあくまで宿泊サービスだが、その真価は「旅行」の体験に近い。人口動態や技術の発展から未来を予測し、産業という市場の前提を崩さなければ生まれ得ない▼県産学共同事業化プロジェクトの審査は今月。生まれた新たな価値が、建設業界も巻き込んでくれれば。(鵯)

みちしるべ

2019-10-10
 電気自動車(EV車)は、航続距離の向上や価格の低下により、目覚ましい普及を遂げている。また、商業施設や高速道路の休憩施設に充電スタンドが設置されるなど、インフラ整備も進んでいる▼群馬県に一風変わった充電スタンドがある。ダイソン社の羽根無し扇風機を彷彿とさせるデザインの機器には「テスラ」と書かれている。テスラ社は長距離運転をする顧客向けに充電スタンドの設置を進めており、その数は全国で21カ所に上る。メーカーによるインフラ整備はEV車普及へ新しい潮流を作り出しそうだ▼EV車の普及は地球温暖化対策が目的ではあるが、自国の自動車産業の存亡に関わる重要事項になっている。こうした次世代車の普及に伴い、道路など交通インフラも大きく変化を遂げていくだろう。(雛)

みちしるべ

2019-10-09
 2018年度は東部地区、中部地区を尻目に“一人勝ち”だった西部地区の生コン出荷量。前年比8割と今年度は苦戦を強いられている。昨年がとりわけ大型物件が多くて、今年が極端に少ないわけでもない▼米子地区生コンクリート協同組合(庄司尚史理事長、組合員13社6工場)では、1994年10月に共同販売を再開して以来、出荷量は2005年度まで年間47万立方㍍をピークに39万~22万立方㍍で推移▼鳥取県西部地震で生コン工場が生産を一時ストップした2000年度でも28万立方㍍を出荷した。それ以降は、公共事業削減などとも相まって減少傾向に歯止めがかからず19万~12万立方㍍の状態が続いている▼今年度はここまで悪い方の記録を更新しそうな状況だが、何とか後半の巻き返しを期待したい。(鴉)
 
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