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コラム

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みちしるべ

2019-11-26
 日中も冷え込む日が続くようになった。大山で初冠雪も観測され、各地域で除雪車の出発式も行われ、いよいよ除雪のシーズンがやって来る▼先だって開かれた日野郡除雪対策協議会。日野町からは、町が有する除雪機械3台分のオペレーターが不足している現状が報告された。その後も募集を続けた結果無事に頭数を揃える事ができたが、ここ数年は人材確保に苦慮する状態が続いているようだ。業者にとっても悩ましいのは同じ。最近殊に顕在化してきた人手不足の問題もあり、大変な除雪に割ける人員がいないという声。加えて昨年度のような思いがけない暖冬になれば、採算の見込みも立てられないと渋い顔だ▼地域住民の命綱となる極めて重要な除雪業務。円滑な契約と人材確保が図られるよう、努力を続けていかねばならない。(梟)
 

みちしるべ

2019-11-25
 歩行者の列に車が突っ込んだなどと全国ニュースで取り上げられるたび、コメンテーターは「事前に対策ができた」と口を揃える。この意見には賛成する、しかし予算は限られる▼最近特に印象に残っているのは、大阪北部地震を受けてブロック塀の撤去が進んだことや異例の猛暑を受けて学校のエアコン整備に乗り出したこと。自治体側も限られた予算内で広い面積をカバーするわけだから、ハードばかりに目を向けられない。だからこそ優先順位付けを行うためにこうした議論は大切で、それが事前予防への一歩につながる▼国土交通省は全国自治体のエレベーターで、安全装置設置の調査に取り掛かる方針だ。報道によれば設置率は5割未満。これを機に全国でエレベーター事故の予防措置が進むことを願う。(雛)
 

みちしるべ

2019-11-21
 「何度、公告しても業者さんが入札に参加してくれなくて」と途方に暮れる発注者。先日、ある会社のお偉いさん二人に本当に技術者がいなくて入札に参加しないのかどうか訊いてみた▼業界各社の現状は「技術者の高齢化で減った」「保有人数はさほど変わっていないが、仕事量が増えた」「その会社の営業戦略で向かう仕事があるので表面上は『いない』と言っている」―の三つじゃないかと言う▼今年、俄かに表面化した技術者、人手不足。国土強靭化3カ年緊急対策で事業予算は確かに前年度より増えている。人手のかからない、生産性の向上が図れる仕事に入札参加が集中する傾向がますます強まる▼県では11月定例議会でゼロ県債34億円を補正する、国でも経済対策の作業が進む。この積み残した工事はどうしますか。(鴉)
 

みちしるべ

2019-11-20
 雪のシーズンを目前にして山あいの現場はどこも忙しい。雪が降るのは覚悟の上だが、豪雪にならなければと祈る。現場を任せられた技術者は条件が悪くても、いくらかの利益と工事成績が頭から離れない▼インフルエンザの予防接種を全額負担して受けさせている企業もある。金銭的な負担は大きいが、職員の健康に神経を配らなければ、現場が動かなくなる▼県の優良建設工事が決まり、近く表彰式がある。今年度は45の現場が対象になったが、健闘したのは中部地区ではないか。12の現場で表彰を射止めた▼表彰者は常連が目立つが、久しぶりに選ばれた企業もある。担当した技術者もベテランから若手まで幅は広いが、誰もが経験の上に努力を重ねる。83点と84点のあいだにある1点の壁は大きい。(鷺)
 

みちしるべ

2019-11-19
 甚大な被害をもたらした台風19・21号。災害発生から2カ月余り、被災地の復旧状況が連日報道されているが、その中でボランティア不足が大きな課題として取り上げられている。最大要因は、被災地への道路(アクセス)が封じられていることにある。幹線物流道であれ一般生活道であれ、道路は市民生活欠くことのできない最低限のインフラだがその手段が途絶えると、避難もできなければ救援や支援、ボランティアにも行けない▼予想を超え想像以上の災害が毎年各地で発生している昨今。「災害は忘れた頃にやって来る」から「いつでもやって来る」現実を見ると、生命と財産、そして生活を守っている公共事業をさらにさらに拡充促進し、同時に国土強靱化の恒久的推進に拍車をかけなければ、社会は守れない。(雀)

みちしるべ

2019-11-18
 連日報道される悲惨な交通死亡事故のニュース。親族の気持ちを察すると胸がふさがれる。県内の死亡事故のニュースを聴いていても、よく自動車で走る道で起きていることがあり、決して他人事でないと感じる▼特に、見通しの悪い交差点、連続カーブが続く道路などを運転するときは気を遣う。信号機やガードレールを設置して欲しいと常々思う場所もある▼地元も行政に改善を要望しているだろうが、早期に解決に至るケースはそれほど多くないのが実情▼行政も毎日のように寄せられる要望から、時間・コストなどを考慮しながら優先順位をつけて効果的に事業を進めていくのは、非常に神経を使うだろう。しかし、それを先送りして、取り返しのつかない事故が起きるということだけは避けなければいけない。(鴨)

みちしるべ

2019-11-15
 少し早いが、新しい時代となった令和元年はどんな年だったのか。秋が深まり、そろそろ冬の訪れが感じられる季節となった。話題は尽きないが建設業界では、またしても自然災害に翻弄された年だったと言えよう▼このほど発表された今年の新語・流行語大賞の30語に「命を守る行動を」がノミネートされたが、これも自然災害にまつわるものだ▼確かに、昨年の西日本豪雨災害を上回る甚大な被害をもたらした台風19号災害は、これまでの想定を完全に覆す非常事態だ。国が3年前に発生した熊本地震に次いで非常災害に指定したのも当然か▼国や鳥取県も防災・減災対策に対するハード・ソフト両面での抜本的な見直し作業に入った。復旧・復興には建設業の存在がいかに大きいか。あらためて考えさせる年でもある。(鶯)
 

みちしるべ

2019-11-14
 担い手の確保と育成が建設業の喫緊の課題と言われるようになって久しい。高校生や大学生を対象にした現場見学会を開く機会も増えている▼先日、県東部土木施工管理技士会が鳥取工業高校の2年生を対象にした現場見学会を開いた。そこには同校を卒業後、地元の建設業に入社して2、3年の先輩も参加した▼彼らは建設業の魅力について「地図に残る仕事」「自分の作ったものを人に見てもらえる」と話していた。一方で「しんどいことは?」という問いには、「まだ未熟で、知識が無いこと、それでも作業員に指示しないといけないこと」と答えていた▼以前、建設業は経験の学問という言葉を聞いたことがある。経験を積むには時間がかかるもの。建設業の魅力を感じながら経験を積み、立派な技術者になってほしい(鷹)
 

みちしるべ

2019-11-13
 想定した以上の雨が広範囲に―。先月の台風19号を持ち出すまでもなく、近年は毎年のように全国各地で水害が相次ぐ▼17年の九州北部豪雨では橋脚に流木が引っ掛かり上流が浸水。昨年の西日本豪雨では本支川の合流部で「バックウォーター」が発生し甚大な被害が出た。それぞれ対策を検証する間もなく次の災害がやってくる▼県は水防対策検討会を設置し、いわゆる「粘り強い堤防」の検討に入った。天端と裏法尻を保護し、越水から決壊までの時間を稼ぐという考え方。15年の関東・東北豪雨を受けて国がまとめた危機管理型ハード対策による▼国は最近の気象変動を踏まえた河川整備計画の見直しも進めている。他方、治水事業費は減り続け、ピーク時の95年に比べ約4割の水準。ここ20年でたまったツケはあまりに大きい。(鷲)
 

みちしるべ

2019-11-12
 平成を超える12万人が詰めかけた「祝賀御列(おんれつ)の儀」に、新時代到来の実感を得た方も多いのでは。両陛下への想いは国民にとって特別な意味がある▼一方、令和に迎える東京オリンピック開会式の総合演出を手掛ける野村萬斎氏の肩書きは、「伝統工芸士」ではなく「クリエイティブディレクター」。伝統や文化の体現者が、違った立場で新たな資源をデザインしていく一例だ▼翻って足元の米子市では、先の空き家利活用シンポで「ナイトタイムエコノミー」の推進が示唆された。夜間遊休施設を利用した観光資源創出の取り組みだが、除夜の鐘や花火のような文化資源としての認知なくしては騒音問題を避けられない▼実現には御所へのそれに準ずる、都市に対する市民の誇り―シビックプライド向上が欠かせない。(鵯)
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