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コラム

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みちしるべ

2023-03-02
 3月は「旅立ちの季節」。学校の卒業式はずいぶん昔の話になるため断片的な思い出しか残っていないが、中学校と高校の時は寒い日だった。そして、いつものように別れたまま、ずっと会っていない同窓生もいる▼今年も多くの若者が進学や就職などで故郷を離れる季節になった。未来行きのホームに立つ若者にエール。そして、いつの日かこの地に戻ってほしい、という思いを込めた発車のベルが駅に響く▼業界だけではなく県の若い技術者も減り、深刻な状態が続いている。人材の確保と定着に向けて知恵を絞るが、すぐに効果は出ない。どうにかしなければ▼古くから伝承されてきた土木の技術を進化させ、この先の人達に伝え続けなければいけない。この思いの大切さを若い人と一緒に考えたい。(鷺)

みちしるべ

2023-03-01
 春季労使交渉が本格化し、トヨタ自動車が賃上げと一時金について労働組合の要求に満額で回答するなど、景気の良い話題が出始めた▼労組側は最も高いケースで月9370円の賃上げを求めたほか、ボーナスは月給6・7カ月分を提示。過去20年間で最高水準という。記録的な物価高への対応が課題になる中、企業側として賃上げに積極的に取り組む姿勢を示した格好で、産業界全体に波及するかどうかが焦点だ▼国土交通省はきょう1日、公共工事の入札で予定価格の算出などに使われる労務単価を引き上げた。建設作業員の基準賃金に相当し、現行と比べて全国・全職種の単純平均で5・2%上昇、伸び率が5%を超えるのは9年ぶり。人手不足が続く業界の賃上げにつながる好循環、技能者の確保・育成に結びついてほしい。(鴛)

みちしるべ

2023-02-28
 「昔々」と始まれば「あるところに」と続けたくなる。その次はもちろん「お爺さんとお婆さん」だ▼一躍時の人ならぬ時のAIとなったChatGPTは、これとよく似た仕組みで文章を生成する。ユーザーが入力した内容に対して、確率的に続きそうな単語を組み合わせ続けているに過ぎない―ただし、ベースになる語彙は5兆語にも及ぶ▼無限に近い可能性空間を持ちながら、確率的な推論ゆえ無難な回答に終始しがち。しかし「プロのライターとして」「法務・経理の観点から」と知識の引き出しを導いてやることで、ぐっと的確な答えを返せるようになる▼いずれは建築物の3次元モデルも手軽に出力できる時代がくる。それでも現実に構造物を立ち上げる時、職人と呼ばれるプロの目と技術は不可欠なはずだ。(鵯)

みちしるべ

2023-02-27
 住宅を建てる時、立地条件を気にする人は多いだろう。駅や学校まで何分かかるか、周辺にスーパーなど店舗があるか、静かな環境にあるか―など。便利さを選ぶなら住宅街を選ぶだろうし、静かな環境を求めるならば、ポツンと一軒家のような場所を選ぶかもしれない▼大きな幹線道路沿いも住宅や店舗建設には好立地と言える。特にIC周辺では宅地造成や店舗、工場の進出などが進む。いわゆる太平洋ベルトは大動脈の整備が進むとともに、工業も発達。大都市圏の多くは太平洋側に集中する▼来月には国道178号岩美道路が全線開通する。建築確認を閲覧していても、岩美町浦富や大谷で住宅が多く建てられている印象を受ける▼県内の自動車道整備で産業や人口にどう変化が出るか。今後の展開が期待される。(隼)

みちしるべ

2023-02-24
 食べ物の色が体の色を変える。赤色のフラミンゴもオレンジ色のサーモンも、赤い色素を持った食べ物で色が変化しているのをご存知だろうか。元々の色は白く、サーモンは白身魚に分類されている▼長い年月をかけて人の肌の色も変化してきた。それは食べ物によってもたらされたものかもしれない。セントアンドリュース大学の科学者は野菜、果物を中心とした食生活を通し実験を敢行。1カ月ほどの期間だったが、人の肌色が濃くなったとする結果を唱えた。特にトマトに多く含まれているリコピンは劇的な影響を与えたという▼外での作業が多く、体力を使う建設業従事者にとって食事は大切。働くエネルギーをもたらしてくれる食物といえば炭水化物だが、お米ばかりを食べているとどんな色になるのか…?(鴎)

みちしるべ

2023-02-22
 賃金アップに追い風が吹いた。現場技能者の賃金単価、2023年度労務単価が発表された。県内主要12職種の平均上昇率は4・3%。13年度から11年連続して上昇した▼伸び率は18年度以降、徐々に低下していたが、ここにきて盛り返した。上昇に転じる前の12年度に比べると6割以上のアップ。とは言うものの、実感はない。以前が酷過ぎた▼今回は交通警備員が7・5~8・0%増と目を引く。従来、警備会社に実際に支払う額との差が指摘されてきたが、多少は改善に向かいそう。半面、運転手の単価が低く、全国最低の汚名を招いた。ドライバー不足は解消されるか▼全般に単価のあげあげムードが労働者の賃金に反映される環境は整いつつある。他方、下請け代金を不当に値引くのは御法度。こちらも忘れなきように。(鷲)

みちしるべ

2023-02-20
 年度末にかけて各発注機関で工事発注が盛んになっている。予算の仕組み上、下半期に工事が集中してしまうのは仕方ないのかもしれない。年度の上半期に設計をし、下半期に工事に入ったり、河川や橋梁工事のように、渇水期にしかできない案件もある▼しかし、施工時期の偏りは建設業者にとって悩みの種で、雇用をためらうケースが出るなど、担い手確保という観点からも避けなければならない。1月に発表された都道府県の平均平準化率は昨年度から微増となり、債務負担行為の活用などにより改善傾向にある▼施工時期の平準化が進めば、業界全体のメリットは大きい。また、地域の人も工事が集中することで、嫌気が差すことが減り、業界のイメージ向上にも繋がるかもしれない。より一層の平準化を期待したい。(雛)

みちしるべ

2023-02-17
 テレビ番組で金太郎飴(きんたろうあめ)を久しぶりに見た。細長くて丸い棒状。そして、どこを切っても同じ絵柄が現れる「あめ」。子供の頃、これが珍しくて楽しみだったことを思い出す▼この飴が世に広まったのは江戸時代。その後も、すぐれた職人技で多くの絵柄が登場。飴以外の商品にもこの技が使われており、今も人気があるそうだ▼飴には何も罪はないが、形状を言い換えて「金太郎飴のように、どこを見ても似たり寄ったり」とか「個性がない」などと表現されることがある。補助金や地域づくりなどでもこの言葉が使われる▼国道178号の岩美道路が完成する。通過点にならないため岩美町などでは多くの施策に取り組む。物まねではない新たな戦略で地域の可能性を引き出してほしい。(鷺)

みちしるべ

2023-02-16
 質問者が不在の議会が成立するようになるそうだ。地方議会の本会議で議員が行政全般について質疑する「一般質問」を巡り、総務省がオンラインによる実施が可能との見解を自治体に通知した▼議案に対する質疑や採決については、議員が議場で行う必要があるとする半面、一般質問は新型コロナ感染症対策、議員活動と子育てとの両立などの観点で容認。テレビ画面を通じ、議員が自宅から質問するケースなどが想定される。迫力は欠けることになりそうだが、これも時代の流れか▼一方、建設業界では新年度に向け、団体が制度設計などを巡り発注機関への要望を重ねている。対面式で、時に強い口調になることもあるが、切実であるがゆえ。対面、オンラインいずれにせよ、議論や制度が双方により良い形となることが一番だ。(鴛)

みちしるべ

2023-02-15
 バレンタイン商戦で賑わった週末の繫華街。華やかなディスプレイにはショコラビールや甘口シェリーも並び、「飲むスイーツ」もすっかり定着したようだ▼世に数多あるワインの中で、原産地呼称制度による厳密な定義の下、スペインのヘレスなど3地域に由来するものだけがシェリーの名を冠することができる。大きな特徴は「ソレラシステム」なる熟成過程▼3~4層に積まれた樽は下から順に年代が古い。消費用のシェリーは常に最下段から引き出され、そのぶん上の樽から補充される仕組み。一定量を均等に配分することで、毎年安定した品質を保つことができる▼新たな設計労務単価の公表が近い。上流から末端まで、いかに適正な賃金を行き渡らせるか―ワインと同様、バランスが崩れてしまっては不味い。(鵯)
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