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コラム

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みちしるべ

2023-05-11
 大型連休だろうと災害はやってくる。石川で震度6強の地震、兵庫は大雨、岩手では季節外れの雪と、立て続けに自然の猛威を目の当たりにした▼気候変動対策も含めたSDGsの達成は、30年を目標に今年が折り返し。しかし「SDGs疲れ」と揶揄されるように、一時ほどの熱は感じられない。先行していたはずの欧州もエネルギー制約で暗礁に乗り上げる▼あるいは具体的な行動に興味が移ったか―いわゆるグリーンテックは、ポストGAFAの呼び声高い成長産業だ。しかし膨張を続ける市場に「環境破壊のビジネス化」を警戒する識者も多い▼日建連は「どんな時代でも変わらない建設業の本質的役割こそSDGsそのもの」と打ち出した。そこには資本で資本を生むだけでは得られない持続可能性がある。(鵯)

みちしるべ

2023-05-10
 今年の大型連休は新型コロナの行動制限も緩和されており、観光地はどこもにぎわっていた。筆者はせっかくの機会と、東北は宮城県を旅行。12年前、高校の合格発表日が奇しくも東日本大震災と重なり、ずっと気になっており、ようやく足を運ぶことができた▼旅行してみると、仙台駅周辺は震災があった様相は感じられなかった。しかし、気仙沼市方面に行くにつれ、「過去の津波到達地点」といった標識や真新しい堤防などが姿を現し、被害の大きさを改めて実感した▼ただ、あれだけの被害だったにもかかわらず、ここまで復旧、復興が進んだのは建設業のおかげと言っても過言ではない▼建設業をはじめ、様々な業種で人手不足が叫ばれるこのご時世。魅力ある業界に変化していくことが、地域の持続的発展にもつながる。(隼)

みちしるべ

2023-05-08
 大型連休も終わり、仕事の日々が戻ってきた。久々の旅行に出かけた方、仕事の疲れで一息ついた方などみなさんは充実した大型連休を過ごせましたか。私はというと…▼大型連休、いわゆるゴールデンウイークの由来は映画業界。今から72年前の1951年、製作会社・松竹と大映が同じ「自由学校」というタイトルで別々の作品を制作し、5月初旬に同時公開する珍しい出来事があった。正月映画やお盆映画以上の大ヒットを受けて「最高に素晴らしい1週間」という意味で命名したと言われている▼さて、大型連休の建設現場はどうだったのか。週休2日工事や働き方改革の推奨を進めていることもあり、現場の工程を考えて昔より休む企業が多くなっている。こうした一つ一つの働き方が担い手不足の解消に繋がればと思う。(鴎)

みちしるべ

2023-04-28
 近くに海がある鳥取県内で、地元の新鮮な魚介にありつけると思ったらそう簡単でもない。スーパーには長崎県や三重県産?といった他県で獲れた魚が並ぶ。地元の魚は一体、どこに流通しているのか▼地産地消―地域で生産されたものは、その地域で消費すること。この言葉が生まれてどのくらい経つだろう。建設業界でも産業振興条例に関連する「下請け契約適正化指針」に、下請けの地元優先活用がうたわれている▼ところが、いまだに守られていないといった声も。不思議と県庁から離れるにつれ、中部や西部で県外の下請けが入っているケースが見られるという▼得意分野に投資して、人材も育てている県内の下請け企業がある。元請けには襟を正して指針の順守と、発注者にもしっかりと目を光らせるよう求めたい。(鷲)

みちしるべ

2023-04-27
 脱炭素は近年、環境問題を語る上でキーワードとなっている。しかし、欧州委員会は、ガソリン車の販売を2035年以降も条件付きで認める方針を明らかにした。これまでのガソリン車の販売を事実上禁止する規制案を撤回した格好だ▼欧州やアメリカの各社は、EV車の開発を得意とする日本勢に長く苦戦してきた。結果的に、競争は技術開発だけでなく、日本車を締め出す方向にも過熱していった。アメリカでは09年、トヨタ車の大規模リコールを求める訴訟から日本車たたきが過熱化。また、15年に発覚したドイツのフォルクスワーゲンによる排出ガス不正など不祥事も相次いだ▼地球環境のための取り組みに見せかけた経済闘争はいかがとは思うが、未来よりも今を生き抜くためには必要なことなのかもしれない。(雛)

みちしるべ

2023-04-26
 鳥取市民会館に初めて入ったのは中学生になったばかりのころ。生まれて初めて見るホールと、生で聴くオーケストラの響きに圧倒されたことだけは忘れない▼建物が完成して55年は過ぎた。その後、耐震対策なども終えているが、ずいぶん古くなった。そういえば、長くホールに入った覚えがない▼以前から施設のあり方について検討が続くが、結論は出ていない。人口の減少で利用者は少なくなることも理解できるが、中心市街地の活性化には必要な施設だ▼再整備には多額のコストもかかるが、都市圏などにある民間と一緒になった複合施設もいい。規模は小さくとも全国に自慢できる施設でなければ。そして、ホールには著名な音楽家の名前を。こんなことを考えながら、古びた市民会館をながめた。(鷺)

みちしるべ

2023-04-24
 「チャットGPTより、ちゃんとジーミーチー(地道)で」。人工知能を使った対話型ソフトを巡り、鳥取県の平井伸治知事が、予算や政策、議会答弁の作成など、県の意思決定に関わる業務での使用を禁止すると発表した▼文章で質問を投げ掛けると、人間のような自然な受け答えをするソフトを使えば、職員が課題を聞き、自分の頭で考えることが減ると指摘。集めた情報をもとに政策決定する考えを、得意のダジャレを織り交ぜながら示した。ソフトを巡っては神奈川県横須賀市が業務効率化を狙って試験導入するなど、自治体間で対応が割れる▼建設業界では設計変更の協議書などで、分かりやすい文章作成につながる可能性はある。有用性は確か。要は問題点や危険性を踏まえた上での使い方次第なのだろう。(鴛)

みちしるべ

2023-04-21
 新生活のスタートダッシュに夏期講習の準備と、教育業界が販促にいそしむ時期。流行りの「AIによる個別指導」は、もはやデファクトスタンダードと言える▼出題・解答のやり取りを自分に最適なレベルで延々と繰り返せるのだから、俗に言うタイパ・コスパの高さは折り紙付きだ。しかしあまりに個に閉じ過ぎた学びへの偏重に、危機感を抱く専門家も多い▼他方、リスキリング推進の流れで社会人大学院が注目を浴びる。諸外国に倣えとばかりに大型投資も動くが、そもそも「大学院は社会人が行くもの」と捉える西洋の前提とは根本的なズレがある▼子どもも大人も、学びと向き合う姿勢が改めて問われている。奇しくも新たな学習環境の整備が相次ぐ県内、地方創生にもつながる火種を絶やしてはならない。(鵯)

みちしるべ

2023-04-20
 先週末、久々に鳥取駅前から県庁までの本通り・若桜街道を歩いてみた。土曜日の昼下がりだというのに人の姿はまばら。シャッターが下りたままの店舗も多い▼シャッター商店街は日本各地にある。郊外に大型店舗が出店し始めてからそちらに人が流れ、商店街は空き店舗が目立つように。空き店舗がさらに衰退感を醸し出し、負のスパイラルに陥ってしまっている。各地で商店街の活気を取り戻そうと施策を打ち出すも、成功事例はほとんど聞いたことがない▼ただ、若桜街道をよく見ると、婦人服の店や定食屋、保育園やパン屋など、意外と各世代のニーズに合致していることに気が付く▼シャッター商店街の問題は根深い。既存の店舗も活かしながら、起爆剤となるような施策が生まれることを期待する。(隼)

みちしるべ

2023-04-19
 便利か脅威か。最近テレビなどよく報じられる「ChatGPT」。大規模言語モデルを用いたチャットAIは文書やプログラミングの作成など多種多様な使い方ができ業務の生産性が上がることに期待される▼どこまでも進化を止めないAI。とある研究によると労働者の80%に影響を与えると言われている。特にプログラミングやライティングスキルが必要な仕事は影響を受けやすいらしい▼朝の報道番組で1人のアナウンサーが「今年中に仕事がなくなる」と危機感を寄せた。しかし、感情を持たないのがAIの特徴。人間は声の抑揚がないとなかなか頭に入らなく、聞き飽きる▼今は、AIを生かすのは人間の知能だが、感情や考える力を持つ人工知能が発明されたとき、人が働く必要性がなくなる時代が来るかもしれない。(鴎)
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