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コラム

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みちしるべ

2024-04-01
 慣用句の「一月往ぬる二月逃げる三月去る」―とはよく言ったものだ。新年を迎えたのが昨日と思うほど、あっという間に3カ月が経過した。今日から新年度。入社式・入学式など新しい出会い・生活がスタートする季節だ▼日本で年度の考えが始まったのは明治時代。江戸時代の日本は農業国とされ、年貢―いわゆる現在の税金が米だった。明治時代からは現金で納めることになり、米の収穫を終え、現金に換えるまでのスケジュールがタイトなため4月に設定されたという▼会計年度が設定された1886年から約140年。日本の歴史でみるとまだ日が浅いと感じるが、飛躍的な発展を遂げた▼そんな発展の中心になる建設業でも入社式が開かれる。これからの地元、そして日本の国土を支える若手の顔ぶれが楽しみだ。(鴎)

みちしるべ

2024-03-29
 転勤や退職…別れの時期がやって来た。官庁取材で長年にわたりお世話になった方々の中には、きょう29日をもって職場を離れる人たちもいる▼現場のトラブルや人間関係を話したり、いっしょになって業界を嘆いてみたり。思い起こすと、取材とは関係のない無駄話も多かった。退任後の新天地でも、どうかご活躍を▼さて4月は、官庁予算の会計年度替わり。会計年度の始まりは各国さまざまで、アメリカの10月から翌年9月まではよく知られている。1月―12月までの国も少なくない。日本では明治初期に4月始期の会計年度が始まったという▼入学、入社と1年の区切りとしては、暦年よりも生活にかかわりが深い。新しい出会いの季節でもあり、取材で訪問する先の顔ぶれにも変化が。一期一会。無駄話とともに。(鷲)

みちしるべ

2024-03-28
 何か調べ物をする時に、インターネットで検索すると数秒で答えが出てくる。必ずしも正確とは限らないが、ふと抱いた疑問に対する答えであるならば十分だろう▼インターネットを使わずに同じ疑問に答えるためにはどうすればいいだろうか。おおよその情報であれば大きな図書館に行けば解決しそうだが、本を読み、情報を精査するとなれば一日仕事になる。現代の技術を使わないだけで、大幅な時間を要し、更に時代を遡るにつれて正確性も失われてしまう▼現代人は「タイパ」や「コスパ」を重視すると言われている。建設業界でも、人手不足解消のためにICT技術などを使い、生産性を向上させているが、それらを駆使する知識が必要になる。あらゆる情報を得るのが簡単になった今、知識を磨く重要性が増している。(雛)

みちしるべ

2024-03-27
 2023年度も残すところわずか。24年4月から建設業界でも36協定で定める時間外労働の上限規制が適用され、原則として月45時間・年360時間を超える残業ができなくなる▼ICTなどで労働時間を短縮させようと取り組みを進めているが、人手不足の中、業務量や工期は変わらない。時短は厳しいという声を聞く▼時間が足りないといえば、大阪万博だ。パビリオンの着工時期が見えないなか、昨年には日本国際博覧会協会が政府へ上限規制の適用除外を求めたことが報じられた。計画段階からの遅れを、工事業者に負担させようとする姿勢はいかがなものか▼万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。これからの社会を創る技術者の未来を守るため、発注者には適正工期の確保に努めてもらいたい。(燕)

みちしるべ

2024-03-25
 彼岸を過ぎたこの頃になると日暮れの時間も遅くなる。遠くの山には雪が残っているが、それでも春を感じる時間帯が多い。河川敷の菜の花が満開になるのも、もうすぐだ▼年が明けてから駆け足でやって来る3月の下旬。完成検査もピークを迎え、発注機関に出入りする技術者を1年の中で最も多く見かける季節ではないか。県の東部地区では災害復旧工事も本格化し、多忙なのは発注者の技術者も同じだ。この状況がまだ続いている▼完成検査には若い人も同行している姿を時々見かける。新人が、この場で発言することはなかろう。でも、メモを取りながら「一人前」になる日を思い浮かべているに違いない▼「目標行き」という名のホームに立つ若人に、思いっきりのエールと暖かい春の風を贈ろう。(鷺)

みちしるべ

2024-03-22
 仮想通貨の「ビットコイン」での決済が、フリーマーケットアプリのメルカリで可能になったそうだ▼日本円に戻す必要なく、欲しい商品の支払いにそのまま充てられる仕組み。刻一刻と取引レートが変動する仮想通貨の扱いは、投機目的が中心とされてきた中、値動きに合わせた購買体験という新たな境地が生まれることになった。海外では飲食店をはじめ、仮想通貨による決済シーンは広がっているという▼レートの変動といえば、日銀が大規模な金融緩和策の柱であるマイナス金利政策の解除を決めた。長期金利の上昇、円高進行といった動きのほか、業界では住宅ローン金利を巡る消費者心理の変化も起こりそう。仮想ではなく、実体の経済に影響するだけに、先行きが気になるところだ。(鴛)

みちしるべ

2024-03-21
 夜半の冷えも和らぎ、桜の開花予想が出始めた。山陰地方では週明けにも春の訪れを感じられそうだ▼大陸文化の影響が色濃い万葉集の時代、花といえば梅か萩だった。桜が主流になるのは平安の世。それも散りゆく無常を歌った叙情的な句が、古今和歌集に多く詠まれている▼喪失の美に対する高い感受性の下地には、やるせない事情も。季節の変わり目には疫病が流行り、桜の盛りの短さはそのまま生の儚さと重なった。花弁に宿るとされた疫神を鎮める「鎮花祭」の風習は現代にも伝わっている▼凶兆としてのイメージは今や昔、今年も法勝寺川沿いの桜並木は見物客で賑わうだろう。流域治水を展開する中ではそんな水辺の景観保全も重要な観点。人の命も花の命も、建設の力で守ることができるはずだ。(鵯)

みちしるべ

2024-03-18
 「値上げ」―。この3文字を聞くもしくは見るたび、家計をどうやりくりするか考えなければならない人も多いだろう▼この4月にも食品や日用品の値上げが相次ぐようだ。加工食品、調味料、お菓子類…挙げればキリがない状況だ▼お菓子の値上げで話題になったのは、赤城乳業が製造、販売している「ガリガリ君」。2016年以来の値上げで70円が80円となり、社員一同が深々とお詫びしている写真が広告に使われていた。これだけでも充分インパクトがあるが、同社では今後の値上げにも備えて、数パターン写真を撮っており、値上げを逆手に取った宣伝と言えるだろう▼建設業でも各単価の値上げは続く。ただ、民間建築の中には設計単価が以前のままで積算が合わないことも。施主の理解が必要不可欠だ。(隼)

みちしるべ

2024-03-15
 色というものは生活において重要な要素として位置付けられる。ファッションや芸術、欲や感情など時に大胆に、時に繊細に、同じ色でも表現の仕方が違うことに面白く思う▼色とは何か。様々な分野の学者が存在した中、色彩学者というものは過去1人もいない。これだけ身近で奥深い要素がゆえに不思議に感じる▼ニュートンのプリズムを使った実験は有名である。物理学でいうと色そのものは「光の波長」だが、精神学者のフロイトや色相環 を作った詩人のゲーテ、人智学のシュタイナーなど分野の違う偉人たちが色について唱えている▼ 建築物でも色が持つ意味は大事になる。外装の色というものはそれぞれ何かしらの役割を担っており、また周辺を検討しなければならない。同じ規模や用途でも選定する論理が異なってくる。(鴎)

みちしるべ

2024-03-14
 バレンタインのお返しにと和菓子店へ。車を降りると雪交じりの冷たい風。もう3月も半ばというのに。週末にかけては気温が上がり、寒暖を繰り返しながら春へと近づく▼国会は昔ながらの「政治とカネ」の問題で大合唱。だが、派閥による裏金作りの真相を解明するに至らず、有権者は冷たい視線を向ける。政治不信を誘因するケースは身近にもある。県議が詐欺事件で辞職、寄付の公選法違反で失職…▼新風を吹き込むことができるか。鳥取市選挙区の補欠選(欠員2)が15日告示(24日開票)される。業界出身者を含む3人が立候補を表明。前回、同選挙区の投票率は40%台前半と低迷しており、不祥事後だけに今回はさらに落ち込むことも▼「政治は有権者を映す鏡」―投票所に行くことはもちろんのこと、熟考した上での判断を。(鷲)
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