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コラム

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みちしるべ

2021-10-14
 全国的にも珍しい「溶接体験施設」が富山市にオープンした。地元の鉄工業者が運営するこの施設では、職人による指導のもと本格的な溶接作業を体験できる。初日には小中学生が集まり、スツール作りを楽しく学んだとか▼この施設がオープンに至った背景には、業界の魅力を若い世代に知って貰い、次代の人材確保を目指す―業界が抱える担い手不足解消という切実な課題があった▼建設業のやりがいは様々にあるが、「ものづくりの楽しさ」もその大きな一つだろう。地図に残る仕事、自分が作った物を日々使って貰える事―そうした仕事のあり方に価値を見出す人は数多い。昨今の業界情勢を鑑みても、若手世代を対象にものづくりの魅力を教示し、業界イメージ向上に繋げる取り組みは今後ますます希求されてゆくだろう。(梟)

みちしるべ

2021-10-13
 スポーツ競技の審判とチームの監督は立場さえ大きく違うが、試合を進めていく上ではどちらも強い権限を持つ。時には、ゲームの流れが一気に変わることがあるから、的確な判断が強く求められる▼競技の世界では「審判を味方につける」という言葉を古くから聞く。不正ではなく、レベルが極めて高いチームや選手になると、早い段階でジャッジの癖を見極め始める▼現場をまかされる業界の技術者は苦労も多い。利益を出すことはもちろん、完成後に出てくる評定点が気になる。それでも最終的な目的は、発注者の監督員と良好なコミュニケーションを取りながら成果品を作り上げること▼工事や業務の開始から完了までの過程もスポーツの試合運びとどこか似ている。審判の癖は見極められるか。(鷺)

みちしるべ

2021-10-12
 「学ぶ」の語源は「真似ぶ」と言われている。この説を否定する文献もあるが、ここでは語源説で話を進めていく▼物事を始めるとき、真似をして基本形を学ぶことが多いかと思う。小欄は幼少期から音楽を嗜んでおり、中学の吹奏楽部時代から続けているドラムはまさに、好きなドラマーの叩き方を真似し、先輩らからアドバイスをもらい、自分のものにしていった▼ある県の左官工事業者では、ベテランのモルタル塗りの動画を入社した若手社員に見せ、真似させて塗り方を学んでもらう研修をしていた。先輩からのフィードバックもある。こうした研修をやり始めてから、その会社の社員定着率は上がったという▼真似させること、フィードバックすること、この2点セットが業界の技術者不足を打開する鍵かもしれない。(隼)

みちしるべ

2021-10-11
 朝夕の涼しさを肌身に受け、秋の訪れを感じる季節になってきた。秋といえば、読書の秋や実りの秋、芸術の秋と秋の代名詞が色々ある▼○○の秋と言われるようになったのはそれぞれ由来がある。例えば読書の秋では、西暦700年代後半、古代中国の詩人韓愈が詠んだ「灯火親しむべし」という詩を、夏目漱石が小説「三四郎」で取り上げたことから広まったという▼この時期、県議会が閉会を迎え、県土整備部では、9月補正での繰越承認で発注の平準化を進めていく。国が発表した各都道府県の平準化率では鳥取県は0.83と高い数値(全国平均0.75)。中国地方でも1位となっている▼秋の予算でも平準化が進めば一層良くなる。「平準化の秋」と呼ばれる日はそう遠くないかもしれない。(鴎)

みちしるべ

2021-10-07
 新政権発足の慌しさも去らない中、真鍋淑郎氏の快挙がニュースをさらった。1960年代に地球規模の模擬モデルを開発するなど、温暖化予測のパイオニアだ▼これまでノーベル物理学賞の候補に挙がる研究は、宇宙・天文や原子・分子、素粒子が生む純粋な物理現象の観測が主だった。初となる気候変動分野の受賞は、国際的関心事としての大きな存在感を示している▼業界も無関心ではいられない。特に国内のCO2排出量中16%を占める住宅の省エネ化は、25年度からいよいよ新築全戸で義務化。重要な鍵になる木質化へ向け経産省も本腰を入れ、まさに明日10月8日は「木材利用促進の日」だ▼真鍋氏の研究は時を経て、我々の行動に変容を促すまでになった。時代を動かす偉大な功績だったと言える。(鵯)

みちしるべ

2021-10-06
 世の中にピアノを弾ける人がこんなに多いとは。NHK番組の「街角ピアノ」は駅構内に置かれたピアノにたまたま通りかかった人が腰かけ、思い思い自由にメロディーを奏でる♪その人の背景とともに、じーんと心の奥に響くものがある▼全国で緊急事態宣言が解除された。「新しい生活様式」も定着し、テイクアウトするハンバーガーの売り上げが好調だという。酒類はどうか。外出自粛で家飲みするのが日常となり、飲酒代は大きく減った▼県東部の業界ではコロナ禍の下で手控えられていた民間建築の動向に期待する声が大きい。公共事業の上半期発注がパッとしなかった印象だけになおさらだ▼相次ぎ出店するドラッグストアだけでは寂しい。ポストコロナを見据えた出口戦略が、建築需要の鍵盤を鳴らす契機となれば。(鷲)

みちしるべ

2021-10-05
 今月から緊急事態宣言が全国的に解除されたが、まだまだ気が抜けない日々が続く▼時短要請で飲食店は軒並み早い時間に閉店し「晩ご飯難民」が増えているという。ここで重宝されるのが宅配サービスで、県内でも宅配大手のウーバーイーツが鳥取市内で利用が開始された。今後エリア拡大も積極的に行われていくようだ▼飲食店の灯かりが早くに消える一方、それ以降も光を放っていたのが災害対応に追われた建設業者だ。長時間労働に頭を抱える建設業では、「時間外労働の上限規制」に関する改正労働基準法が、2024年4月からいよいよ適用される。規制を順守しない企業には懲役や罰金が科される内容だ。長時間労働削減へ、取り組むべき課題は企業によって異なるが、この日が建設業の大きな転換期となることは間違いない。(雛)

みちしるべ

2021-10-04
 近年では自然災害の発生リスクと関連付けて意識される事が多いが、土地々々に与えられた名前にはそれぞれに意味があり、その地の歴史や伝説と深く結びついている▼伯耆町には小野地区と小町地区が隣接して在る。繋げれば判る通り、ここは三十六歌仙の一人、小野小町が晩年を過ごした地であるとされる。同様の伝説は各地に伝わってはいるが、もしかしたら―世界三大美人でもある彼女が、私達と同様に秀峰大山を仰ぎながら日々暮らしていたかもしれない―と考えると、趣深く感じる▼彼女の墓所が残る小町地区では、1日より残土処分場が開設。満杯となった暁には、災害発生時の仮設住宅建設用地などを備えた防災広場の整備が始まる。小町の名は、地域の人々の暮らしに不可欠な物と結びつき、今後も残り続けるだろう(梟)

みちしるべ

2021-10-01
 普段は車での通勤。朝から長い距離を歩くことは少ない。だから、休日には健康のために歩いている人を多く見かける。だが、都会に暮らす人は、朝から速足で長い距離を歩く。真似ができない▼駅に行けばすぐに電車がやってくる都会とは違い、地方に暮らす人は、どこに行くのも車だ。自宅に3~4台の車があっても県内では珍しくはないし、ぜいたくだと感じることもない▼当然だが、ガソリンや税金といった維持費の負担は都会に暮らす人よりも多かろう。県内に不必要な道路などない。その道の先には人が住む集落だってあるし、買い物や病院にも行かなければならない▼国は、地方の納税者が納得できるインフラの整備を実現すべき。もうすぐ衆議院選挙。立候補者からこうした声を聞きたい。(鷺)

みちしるべ

2021-09-30
 ロボティクス業界の躍進が目覚ましい。高齢者の見守りから愛玩用まで一般家庭への普及も進み、28日にはついにアマゾンが参入を発表した▼国内企業ではソフトバンクグループの注力ぶりが目立つ。AI関連300社超への投資額は全世界の1割を占め、18社ものロボット企業群と提携する陣容は異例。配膳、清掃、物流分野では国内展開も間近だとか▼重要な機能は、従来のような特定動作の反復ではなく、AIで学習・成長し広い需要に応えること―孫代表はそうした「スマートロボット=スマボ」が日本復活の鍵になると力説している▼大手ゼネコン16社が施工ロボットの共同研究に乗り出した。人材確保に悩む業界には朗報だが、地方まで行き渡るのか。産業全体の底上げに汎用性の議論は欠かせない。(鵯)
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